全国各地ではじつにさまざまな古本まつりが行なわれます。
小さな会場、大きな会場。屋内、野外。開催場所は多彩。
探求書を求めて駆けつける人から、通りすがりにちょっと立ち寄る人まで、お客さんもいろいろです。
堅苦しい雰囲気はありませんから、古本に親しむにはいちばんの機会と言えるでしょう。
単行本、文庫本、新書、雑誌。
児童書、絵本。
画集、写真集、美術展の図録。
小説、エッセイ、実用書、専門書、学術書。
今の本、昔の本、さらに昔の本。
あらゆる本が並びます。
絵葉書、雑誌の付録、雑貨、おもちゃ、民芸品、ときには本じゃない物も並びます。
何が出てくるか分からない宝の山から、ぜひ、あなただけの「掘出し物」を見つけてみてください。
古本まつりとは?
古本まつりとは古本を販売する催し物です。
と、わざわざ説明するに及ばないのですけれど、ひと口に古本まつりと言っても、形態はいくつかあります。
1・古本まつり → 古本屋さんが参加。会場は各種。
2・古書即売展 → 古本屋さんが参加。会場は古書会館。
3・一箱古本市 → 一般の人たちが参加。会場は各種。
何店舗かの古本屋さんが集まって販売をするという点では、「古書即売展」も「古本まつり」の一種と言えます。
大別すれば、古本屋さん(業者)による「古本まつり」と、一般の人たちによる「一箱古本市」とに分けられるでしょう。
しかし一般に古本まつりと言えば、上記分類の「1・古本まつり」が思い浮かぶのではないかと思います。
デパート、広場、ホールなどに、古本のワゴンがにぎやかに並ぶ光景です。
それですので便宜上、古書会館で行なわれる古書即売展を区別して分類し、当記事では、基本的に「1・古本まつり」を念頭に記述を進めてゆきます。
古書会館で行なわれる古書即売展につきましては、下記の記事を合わせてご参照頂ければ幸いです。
→古書会館の古書即売展7つの魅力
古本まつりの日程を調べる
年間を通して、古本まつりはさまざまな場所で開催されています。
1日のみ。2、3日。1週間。1か月。それ以上。開催期間もさまざまです。
いつ、どこで、どのような古本まつりが行なわれているのか、まずは日程を調べます。
古本まつりの日程(古本屋さんが参加)
古書組合の公式サイト「日本の古本屋」には「古本まつりへ行こう」というページがあります。
全国の古本まつりが日付順に並んだ一覧表です。
「東京」「関東・甲信越」「近畿」など地域別に表示できるようにもなっています。
古本屋さんが参加する古本まつりの日程を、総合的に調べるには、この「古本まつりへ行こう」がいちばん確実かと思います。
ただし、すべての古本まつりを細大漏らさず網羅しているわけではないようです。
また「古本まつりへ行こう」に載っているのは、古書組合の加盟店が参加する催し物にかぎられます。
組合の関わらないところで、書店や施設などが独自に行なう古本まつり(古本市)は掲載されません。
全国各地では数多くの古本まつりが開催されますから、それらを完全に把握するのは難しいです。
もちろん、そこまで徹底的に把握する必要はありません。
自分が行けそうな古本まつりの日程が分かれば充分です。
自分が住んでいる町の本屋さん、古本屋さん、あるいは商業施設などに、古本まつりを知らせるポスターが貼り出されるかもしれません。
そういった、その地域での告知はないかどうか、普段から注意してみるのもひとつの手です。
Twitterなどで、主催者からの開催情報が得られることもあるでしょう。
一箱古本市の日程(一般の人たちが参加)
「一箱古本市」は、一般の人たちが「店主」として参加して、それぞれ持ち寄った古本を売ります。
その名のとおり、一人が出品する本の量は、段ボール箱ひと箱分です。
2005年、谷中・根津・千駄木の「不忍ブックストリート一箱古本市」に端を発した一箱古本市は、その後全国各地に広がり、その勢いは、古本まつりに負けていません。
一箱古本市の日程は、ブログ「一箱古本市あれこれ(情報など)」に、日付順の一覧表が載っています。
普段は古本まつりが行なわれない町でも、一箱古本市が次々と開かれています。
開催は1日のみというところが多いようです。
本の量では古本まつりにかないませんけれど、出品する店主さんが対面販売をしますので、親密さはより増します。
手にとった本をきっかけに古本談義がはずむ、なんていうこともあるでしょう。
店主さんとの会話を楽しみにして会場を訪れる人もたくさんいるはずです。
古本まつりとは一味違った楽しみ方を味わえます。
近くの古本まつり、遠くの古本まつり
近くの町から遠くの町まで、古本まつりはさまざまな土地から古本好きを誘惑します。
あまり気合いを入れすぎると、かえって疲れてしまうかもしれませんから、最初のうちは近隣で行なわれる古本まつりを気軽に訪ねてみるとよいでしょう。
もちろん、人生で初めて訪れるのが神田古本まつりであっても、それはそれで素晴らしい体験をもたらしてくれるはずです。
近くなら
自分が住む町や、近くの町で、古本まつりが開催されているかもしれません。
近所であれば、すぐに行くことができますし、すぐ帰ることもできます。
買い物のついでや、散歩気分で、ふらりと立ち寄る。肩肘張らずに古本と親しめるでしょう。
ある程度の開催期間がある場合は、会期中に2回3回と、何度か訪れてみるのがオススメです。
このあいだは見落としていた本に気がついたり、このあいだは無かった本が補充されていたり、何かしら新しい発見があると思います。
少し遠くへ
少し離れた町での古本まつりへ行くとなると、心構えも変化してきます。
初めて訪れる町であれば、特にそうでしょう。
普段とはちがう非日常が混ざりこんできて、古本も、いつもとはちがう色合いを帯びるのではないでしょうか。
遠足、もしくは小旅行といった感じです。
遠く
遠くの町の古本まつり。
たとえば大阪から東京の古本まつりへ。
東京から仙台の古本まつりへ。
こうなるとすっかり旅行です。
頑張れば日帰りも可能でしょうけれど、行った先で宿泊すれば、いよいよ気分は盛り上がりそうです。
観光や温泉と合わせて、旅程のなかに古本まつりを加えるのも一興でしょう。
もちろん、古本まつりと現地の本屋めぐり古本屋めぐり、ひたすら本を追い求める旅もたのしそう。
私は東京周辺の古本まつりしか行ったことがありませんので、古本旅行……、憧れます。
小さな会場、大きな会場
古本まつりは、会場の規模もじつにさまざまです。
初めての方や、まだ古本に慣れていない方は、まずは小さな会場の古本まつりに行ってみるとよいでしょう。
大きな会場で、いきなり何万冊という本の山を相手にすると、どこをどう見ればよいのか混乱してしまうかもしれません。
わけも分からず歩きまわって、ただくたびれただけでは、せっかくの古本気分がしぼんでしまいます。
その疲労こそが、古本巡礼の一歩一歩、と言えば言えるのですが……。
もちろんこれも決まりきった段階などはありません。
最初から大会場の古本の山に挑むのもOKです!
比較的小さな会場
東京周辺の古本まつりを見てみます。
小さな会場でも本はたくさんあったりして、一概には言えないのですが、全体から見ると比較的に小さな会場です。
一巡する目安としては30分から1時間くらい。
小さな会場
【新宿】古本浪漫洲(新宿サブナード)
【新宿】TOKYO BOOK PARK×ハンズ(ハンズ新宿店)
【平井】平井のはみだし古本市(平井の本棚2階)
【高円寺】本の楽市(座・高円寺)
【荻窪】Title2Fの古本市(Title2階)
【吉祥寺】TOKYO BOOK PARK吉祥寺(吉祥寺パルコ)
【立川】立川フロム古書市(フロム中武)
【立川】TOKYO BOOK PARK立川(PAPER WALL立川店)
【調布】調布の古本市(調布パルコ)
【調布】本の楽市at調布(調布パルコ)
【藤沢】フジサワ4階古書フェア(有隣堂藤沢店)
【センター南】港北古書フェア(有隣堂センター南店)
大きな会場
端から端までじっくり見て行くと2、3時間はすぐに過ぎてしまうような会場です。
大きな会場
【神保町】神田古本まつり(神保町古書店街)
【新橋】新橋古本市(SL広場)
【池袋】三省堂書店池袋本店古本まつり(西武池袋本店別館)
【八王子】八王子古本まつり(駅前ユーロード)
【南大沢】南大沢古本まつり(駅前ペデストリアンデッキ)
【所沢】彩の国所沢古本まつり(くすのきホール)
屋内の会場、野外の会場
屋内だったり、野外だったり、場所もいろいろ。
気候のよい時分に屋外で行なわれる古本まつりは、ほんとうに爽快です。
のびのびとして、気分よく古本を探せます。
ただし空模様ばかりはどうにもできません。
テントを設営する会場では少々の雨降りならば営業しますが、神田古本まつりなどは雨天中止です。
また季節によっては、急に暑くなったり、寒くなったり、その日によって気温が大きく変化することがありますから、屋外会場は注意が必要です。
日中は過ごしやすくても、夕方になって冷え込むこともあります。
寒風が吹きすさびますと、もう古本どころではなくなってしまいますね。
そんな中でも、じっとお店番をする方々には、ほんとうに頭が下がります。
屋内会場でしたら、雨の心配は要りません。
台風でも来ないかぎりは中止ということもないでしょう(新型コロナウイルスの影響については後段で述べています)。
ただこちらも、空調の加減などは会場へ入ってみないと分かりませんので、あらかじめ対策をしておくとよいかもしれません。
夏場は、冷房が効きすぎていて半袖では肌寒い。冬場は反対に暖房が効きすぎてのぼせてしまう。なんていうこともあります。
以下の表は、東京周辺での、屋外開催の古本まつりです。
屋外開催の古本まつり(東京周辺)
雨天中止の古本まつり
【神保町】神田古本まつり(神保町古書店街)
【浦和】浦和宿古本いち(さくら草通り)
雨天決行/荒天中止の古本まつり(テントあり)
【新橋】新橋古本市(SL広場)
【八王子】八王子古本まつり
【南大沢】南大沢古本まつり
【本川越】西武本川越PePeのペペ古本まつり
雨天決行の古本まつり(屋根あり)
【御茶ノ水】御茶ノ水ソラシティ古本まつり
当日の開催の有無については主催者にお問い合わせください。
屋外の会場は雨と気温にご注意を!
手荷物は少なめに、けれど手ぶらも不便
古書会館で行なわれる即売展は、入口で手荷物を預ける決まりになっています。
ひと手間掛かりますが、何も持たずに会場を歩けます。
一方の古本まつりでは、荷物を預ける会場はまずありません。
東京近辺を見ると、唯一、彩の国所沢古本まつりが荷物を預かってくれます。これも必ずではなく、任意です。
ほとんどの古本まつりでは自分の荷物を持ったまま会場を巡ります。
たくさんの本を買うとなると、キャリーバッグなど大きい鞄があると後々便利なのですが、歩いている最中はどうしても邪魔になりそうですね。
それなら初めから何も持たない手ぶらがよいかというと、そうでもありません。
買った本を紙袋など無料の袋に入れてくれる会場もありますが、このごろは、レジ袋が有料という所も増えています。
また、100円の文庫本を1冊だけ買ったときなどは、袋に入れてもらわずにそのまま受け取るほうが軽快でしょう。
ある程度容量のある鞄を持って歩くと安心かと思います。
両手が使えるリュックは重宝しますが、夢中で本を探していると背中に気がまわらなくもなります。
横の人にうっかりぶつけてしまうこともあるかもしれませんし、何もしていないのに後ろから振り払われたりしたらびっくりします。
狭い会場や、多くの人が集まる会場では、背中のリュックにお気をつけください。
特定の1冊を探すというよりは、思いがけない本との遭遇をたのしむ
古本まつりには複数の古本屋さんが参加します。
どのようなお店が、どのような本を出品するのかは、これはもう会場へ行ってみなければ何とも言えません。
たとえば寺山修司『家出のすすめ』を探しているとして、果たして古本まつりの会場にその本があるのかどうか、まったく分かりません。
参加しているお店のご主人ですら分からないかもしれません。
会場中を隈なく探した結果、とうとう見つからなかった。充分に有り得ることです。
(余計ながら『家出のすすめ』は角川文庫に収録されていますし、割合に見つかりやすい本です)
それでも、どうしても欲しい探求書がある場合は、会場のお店の人に訊いてみるとよいでしょう。
自分のお店には無くても、「あそこのお店にあったのじゃないかな」とか「あそこのお店ならあるかもしれない」とか、何か手掛かりを教えてもらえるかもしれません。
ただし期待しすぎないことが肝心です。
駄目で元々、というくらいの心構えであれば、それだけがっかりしないで済みそうですね。
或る特定の1冊だけを探し求めていると、どうしてもその他の本は目に入らなくなってしまいます。
たくさんの本があるのですから、それでは勿体ないようでもあります。
会場へ行ったら、ひとまず探している本のことは忘れてしまいましょう。
今、目の前にある本と向き合うのが何よりです。
何だろうこの本は?
こんな作家は知らなかった。
こんな本があったのか!
歩けば歩いただけ、いろいろな疑問や驚きが生まれるでしょう。
買う買わないは別にしても、さまざまな本に触れ、さまざまな本を身体のなかに通過させることによって、古本を見る眼は養われてゆくのではないかと思います。
そうやって本棚を巡っているさなかには、ついに探求書を発見してしまうことがあります。
はっきりとした意識の中には無いはずなのに、目の前にその本が現われた瞬間、何かの回路が突然つながります。
先ほどの例を持ち出しますと、漠然としていた視界の先に『家出のすすめ』の文字が、そこだけ浮き上がるように、ぴったりと焦点を合わせるわけです。
滅多に味わえる経験ではありませんけれど、この瞬間は、ほんとうに背中に電気が走ります。
その本を探していることを忘れていても、その本が見つかることはたしかにあります。
古本の買い方、鉄則は「迷ったら買う」
その本の値段はいくらなのか。
もちろん本体に表示してある定価は関係ありません。
裏表紙をめくる。
これが基本の動作です。
手にとった本の裏表紙をめくると、最終ページ(たいていは右上)に販売価格を記した値札が貼ってあります。
思ったより安くてよろこんだり、反対に「こんなに高いのか」とため息をついたり、いろいろです。
そうやって何冊かの本を見てゆくうちに、少しずつ、古本の値段の見当がついてくるようになるでしょう。
帳場を設けてある古本まつりでは、最後にまとめて会計をします。
屋内で開催される古本まつりは、会場のどこか1か所に帳場があります。
野外開催の場合、たとえば新橋古本市や八王子古本まつりなどは、各テント毎の会計です。
欲しい本が見つかったら、そこで会計を済ませてから次のテントへ移ります。
また、神田古本まつりでは、各屋台毎の会計となります。
購入したい本が見つかった場合はもちろんですが、買おうかどうしようか迷うような本の場合も、ひとまずは手元に確保しておきましょう。
あとになって、やっぱり買おうと思ってさっきの棚に戻ってみると、わずかな時間のあいだに売れてしまうということがあります。がっかりです。
広い会場ですと、さっきの棚がどこだったのか分からなくなってしまうこともあります。
とりあえずは手に持って、会計の直前に、改めて検討するのが安全です。
要らないと思ったら、棚に戻せばよいわけです。
その際は必ず元の棚に戻してください。
古本まつりには複数のお店が出品していますから、いい加減に、値札とは違うお店の棚に置いたりすると、お店の人が困ります。
「迷ったら買う」。古本の鉄則です。
見つけたときに買う。
古本はいつも1冊。新刊書店のように同じ本が何冊もあるわけではありません。
たしかに、鉄則なのですが……。
A店の棚で見かけた本を、B店の棚でまた見かける。
これは結構よくあることです。
最後にまとめて会計をする会場ならば、A店とB店の本を両方とも、前述のように、手元に確保しておけます。
じっくり見比べて、状態や値段で、どちらを買うか決めることができます。
一方で、テント毎や屋台毎の会計の場合は、その場で判断しなければなりません。
もしかしたら、他のテントに同じ本が、もう少し安い値段であるかもしれない。
しかし、今買っておかないと、誰かに買われてしまうかもしれない。
悩ましいところです。
1000円で買った直後に、別のテントでは同じ本が500円だった。実際にあることです。
あるいはまた、あわてて買わずに放っておいても、いつまでも売れ残っている。これもあります。
そんな経験をすると、せっかく見つけた本をつい保留にして、戻ってきたら売れていた、がっかり……。と、なるのです。
結果的に余分な出費となったとしても、買い逃して後悔することを思えば、かすり傷みたいなものです。
さらに言いますと、迷った挙句に購入をためらった本が後々まで頭を離れず、あのとき買っておけばよかった……、と、ぐずぐずすることも。
やはり「迷ったら買う」。鉄則のようです。
全部見なくてよい、何も買わなくてもよい
せっかく古本まつりに来たのだから、端から端まで全部見たい。見ないと損。
それはやっぱりそのとおりです。
しかし所沢古本まつりや新橋古本市など大きな会場では、だんだん疲れてきて、最後のほうは本を見ていながら何も見ていない、なんていうことにもなりかねません。
その日の体調とも相談しながら、無理のない範囲で歩くのがいちばんですね。
今日は文庫本だけ、とか、今日はマンガ、とか、最初からテーマを絞って歩くのもよいでしょう。
まずは会場をざっと1周して、全体を眺めるという方法もあります。
どの辺りにどのような本があるのかをだいたい頭の中に入れておいて、改めて気になった棚を訪れるという段取りです。
何事も効率は第一のようですが、さて、古本まつりに当てはまるのかどうか。
どこに何があるのか分からない。分からないから歩いてみる。
古本まつりは、むしろ無駄をたのしむ場所だと言えそうです。
せっかく古本まつりに来たのだから、何か買いたい。
これも人情ですねえ。
歩きまわった末に購入零冊。疲れは倍増……と言ったところです。
何でもいいから買いたいのに、その何でもいいはずの1冊が見当たらない。
そういうときもありますから、そういうときは、何も買わずに帰ります。
無駄足のようではありますが、この無駄足は次へとつながる無駄足です。
あきらめずに、(あるいは性懲りもなく)歩きまわっているうちには、いつか発見が舞い込むでしょう。
やがて痛快な発見を成し遂げた瞬間、このあいだの無駄足の疲れなどは地平線の彼方に吹っ飛びます。
古本まつりで売っているものは本だけではない
「本以外もお売りください」と言うとブックオフの宣伝文句になってしまいますが……。
古本まつりでも「本以外」はあります。
絵葉書、チラシ、切符、切手、しおり、ラベル、メニューなど、いわゆる「紙モノ」と呼ばれる印刷物。
こけし、民芸品、絵馬、文具、雑貨、レコード、おもちゃ、鉄道部品、お皿、壺、がらくた全般。
何が出てくるか分かりません。
本を探す合い間に、それら「本以外」の品々を眺めて歩くのもたのしいものです。
古い絵葉書の束を見始めると、つい夢中になってごそごそ漁ってしまうときもあります。
昔のチラシのデザインに見入ったり、どうしてこんな物を売っているのかと驚いたり、興趣は尽きません。
もちろんすべて売り物ですから、気に入った物があれば買って帰れます。
「紙モノ」などは200円、300円くらいの値段から手に入ります。
古い絵葉書や斬新なデザインのチラシを額装したりすれば、これが結構、名画に負けないくらいの存在感を放ってくれますよ。
新型コロナウイルスと古本まつり
新型コロナウイルスは、もちろん古本まつりにも影響を及ぼします。
2020年の4月から6月にかけて、感染が拡大し、初めて緊急事態宣言が発令された一時期は、すべての古本まつりが中止という事態にも陥りました。
2020年の夏以降は、主催者の判断により、開催もあれば中止もある。しばらくはその状況が続きます。
2021年の秋を過ぎてからは、多くの古本まつりが行なわれるようになり、2022年春以降、日程が告知された古本まつりは、すべて予定通りに開催されているようです。
しかし、新宿西口古本まつり、池袋西口公園古本まつりなど、2019年以前は毎年恒例の行事でしたが、今なお再開に至らない古本まつりもあります。
当初に比べればだいぶ落ち着いてきているようですが、今後も、感染状況によって中止となる古本まつりがあるかもしれません。
日程が発表されている古本まつりについても、お出かけの際は、開催の有無を主催者にお問い合わせください。
開催初日の朝一番は混雑する会場があります。
会場によって状況は異なるのでしょうけれど、2日目以降に行けば、密集は避けられるでしょう。
自分の体調を合わせ見ながら、無理はせずに、安全第一でたのしみたいと思います。
さいごに・自分自身の歩き方で
古本まつりの歩き方は人それぞれ。
こうしなければいけないという歩き方はありませんから、もしかしたら、最初はどうやって歩けばよいのか、戸惑うことがあるかもしれません。
しかしその戸惑いも含めて、それこそが、自分自身の歩き方ということになります。
コツとか秘訣とか、あってないようなものです。
いかにして本と戯れるか。
難しい考えは抜きにして、広大な古本世界を漫遊しましょう。
古本まつりの簡単な案内を用意してあります。よろしかったらご参照くださいませ。