【2013年1月6日】
9時半、生田緑地の岡本太郎美術館。〈小野佐世男モガ・オン・パレード〉展。
朝一番のまだ誰もお客さんのいない美術館は気持よい。
闊達に描かれるモダンガールを鑑賞する。
敗戦の直前にジャワ新聞社から刊行された『小野佐世男ジャワ従軍画譜』にため息。稀覯書のひとつに数えられるのだろう。昨年、覆刻版が出版されたとのことだが限定300部で定価2万5000円では、こちらも手が届かない。
装幀作品として何冊かの書物が展示されており、辰野九紫『東京からくり音頭』と中村正常『妻と記入すべきか』この2冊が胸の琴線を搔き鳴らし、欲しくて欲しくて、その場で往生した。
図録購入、1800円。この展覧会は来週までの開催で、ぐずぐずしているうちに危うく見そびれるところだった。どこか『佐世男漫画日記』を公刊するモダンな出版社はないものかねえ。

(川崎市岡本太郎美術館/2012)
生田緑地から登戸駅に向かう道すがらにブックオフ向ヶ丘遊園駅前店、買物なし。
ツヅキ堂書店も空振りの気配だったが、辛うじて『死の接吻』アイラ・レヴィン(ハヤカワ文庫/1997/25刷)150円。
12時半、八王子。佐藤書房、『死者の誘い』W・デ・ラ・メア(創元推理文庫/昭和59)157円。『ラベンダー・ドラゴン』イーデン・フィルポッツ(ハヤカワ文庫/昭和54)420円。『フェッセンデンの宇宙』エドモンド・ハミルトン(河出書房新社=奇想コレクション/2004)840円。以上3冊。
『ビーストン傑作集』帯欠なので1500円を期待するも当てが外れて3675円、やっぱりそうか。
ブックオフ八王子駅北口店、買物なし。
家に戻ってサッポロ一番ミソラーメン。蒲団にもぐって『ローズマリーの赤ちゃん』読む。

【2025年12月追記】小野佐世男の著書
小野佐世男【おの・させお】1905(明治38)‐1954(昭和29)
漫画家、画家です。随筆、漫文など数多くの文章も執筆しています。
刊行された著書は――
1『小野佐世男ジャワ従軍画譜』(ジャワ新聞社/1945)
2『女体戯語』(東和社/1953)
3『猿々合戦』(要書房/1953)
4『美神の絵本』(四季社=四季新書/1954)
5『女・ところどころ』(文陽社/初版刊年記載なし)*2版1956年
6『小野佐世男ジヤワ從軍画譜』復刻版(龍溪書舎/2012)
これらを揃えようとしたときの最難関は『ジャワ従軍画譜』です。
日記にも記しましたとおり、2012年の復刻版は定価2万5000円。
現在はさらに古書価が上乗せされていると思われます。わずか300部の限定出版ということで、その後、復刻版を古書店や即売展で見かけたことは私はありません。
元版はたったいちど、2018年の「銀座古書の市」目録で遭遇しました。売価21万6000円でした。
遭遇と言っても、あくまでも目録の紙上。古書市の会場にも出向きましたが、注文が入ったのでしょう、会場には陳列なく、現物と再びの対面は叶いませんでした。
国会図書館にも復刻版が納まるのみで元版の蔵書はないようです。
一方で2から5までの4冊は、それほど怖れることはなさそうです。
目録や通信販売でも、3000円を超えることはほとんどないでしょう。
即売展や古本まつりで粘り強く探せば、やがて1000円前後で見つかる機会が訪れるのでは。
新書判の4や5は、うまく行けば均一棚で御目にかかる好運もあるかと思います。
いずれも、カバー画は著者自装です。
文章を読むのであればもちろんカバーの有無は問いませんが、漫画家自らが手がけたとなれば、やはりカバーを合わせて愛でたいところです。
7『女の一生』川上三太郎=文/小野佐世男=絵(グラフ社/昭和22)
共著者(絵を担当)として上記の書にも名が載りますが、その他、さまざまな雑誌に掲載された文章、漫画、挿絵、さらに装幀まで含めれば、相当な分量になりましょう。
未だ仕事の全貌がつかみきれていない画家と言えそうです。
展覧会を見て以来ずっと今日まで、『佐世男漫画日記』の公刊を待望しています。

展覧会入場券半券

