【2011年1月21日】
今週末は新年最初の即売展三角形。遊古会、がらくた市、中央線展。
まず今日は南部古書会館の五反田遊古会。
1階で角川写真文庫1冊、『東京文学散歩』下町篇、200円。
2階でカラーブックス『営団地下鉄』大塚和之/里田啓/原田裕至/諸河久、200円と、美和書院の新書判『わが粋筆』秦豊吉、500円。
計3冊、南部会館での購入記録では最少か? いやアートブックバザールの零冊があったか。
続いて東京古書会館の我楽多市。
ぶっくす丈の棚の『女子の務』は明治時代の袖珍判。カバー付きというのが珍しい。
内容は、題名が示すとおりの、しかつめらしい修養書といったところで、明治時代の女子に何が求められていたのか、興味が湧かないわけではないが、かと言ってそれほど湧くわけでもない。
300円という廉価は魅力なのだけれどそれにしても『女子の務』だからなあ、これを買って私はどうする?
たしかこの本は、年明けの高円寺展の際にもぶっくす丈の棚で見かけているから、あのときの売れ残りの1冊なのだろう。
今日も、午後になってもまだ売れていないところを見ると、このままさらに持ち越されて、あるいは来週の大均一祭に放出されるかもしれない。今日はまだいいや。
それからしばらくすると、通路ですれ違った若い女性が幾冊かを腕に抱えたいちばん上に、『女子の務』がちょこんと載っていた。おや!
このあいだ見た、今日も見た、だからまた次も見るだろう。そんなあてずっぽうはひらりとかわすところが古本の妙なのである。
そして、あるべきところにあるということなのだろう。むさくるしい男(私)の手に撫でまわされていたさっきと比べて、今『女子の務』は彼女の手中で、見違えるほどの精彩を放っているのだ。
結局、我楽多市では、北尾トロ『ぶらぶらヂンヂン古書の旅』(文春文庫)200円のみ購入。
ミロンガで珈琲を飲み、小宮山書店のガレージセールで『しおちゃんとこしょうちゃん』ルース・エインワース作/こうもとさちこ絵(福音館書店)100円、絵本1冊を買う。
【2023年3月追記】即売展三角形
東京で古書即売展を開催する古書会館は3か所。
神田の東京古書会館、高円寺の西部古書会館、五反田の南部古書会館です。
開催日は、東京と南部は「金・土」、西部は「土・日」が基本です。
各会館とも即売展を毎週行なうわけではないので、その週によって1か所だったり2か所だったり、また全く開催のない週もあります。
そして1年に何回か、3か所すべての会館で即売展が開かれる週末があります。
昨年、2022年は、1・3・4・5・7・9・11月と、7回ありました。
2023年の上半期では3・4・5月(すべて第4週)の3回です。
3か所のなかでは、南部古書会館の開催回数がいちばん少なく、原則として月1回です(開催のない月もあり)。
それですから、南部会館の開催に合わせて、即売展三角形は出現します。
即売展の揃い踏みはうれしいかぎりですけれど、しかし身体はひとつですから、どういう順番で探訪するか、悩ましいところになります。
初日を攻めるということであれば、金曜日に東京と南部、土曜日に西部となるでしょう。
朝一番から出掛けることにして、東京と南部、どちらを先にするか、ここにも選択肢がありますが、廉価の雑本が多数放出される南部会館を選ぶご常連は多いと思います。
土曜日ならば、頑張って3か所を1日で巡回することも可能です。
また、神奈川古書会館(反町)での即売展に合わせて、東京、西部、神奈川と、変則三角形が現われる月もあります。
2023年上半期では、3月(第2週)・4月(第2週)・5月(第1週)の3回です。
神奈川会館の開催日は西部会館と同じく「土・日」ですので、こちらも土曜日なら1日で廻れます。
神田、高円寺、反町。この三角形は移動距離も長く、なかなか大変かもしれませんが、古本特急に飛び乗って、三館制覇に挑戦するのも愉快でしょう。
◇
東京古書会館の「我楽多市」は2022年7月の開催をもって休会となりました。