【2011年1月17日/2023年3月追記】古書目録初注文

【2011年1月17日】
中央線古書展の目録より、注文の葉書を書く。
なにぶん目録注文は初めてのことなので要領が判らず、事務的に簡潔を旨とするべきか、せめて時候の挨拶くらいは述べるべきか、ペンを持ったまましばらく思案。
注文の品は竹陽書房の出品番号1816『恋愛満塁』北町一郎、価格1000円。東成社ユーモア小説全集の1冊がこの値段なら手頃だ。
しかし私にとって手頃ということは他の誰かにとってもそうであるわけだから、注文が重複するかもしれない。
抽籤か……、と弱気になったり、まあそれも時の運だ、と立ち直ったり。
今回の中央線展目録では、芳林文庫のページにも北町一郎の著書が掲載されていて、251番『白日夢』という昭和11年刊の、こちらは探偵小説らしいのだが、12万円という素的な価格となっている。
それを購買する財力があるような蒐集家にとって、1000円の『恋愛満塁』などはほとんど100円均一みたいなものだろう。
おや、ここにも北町一郎、ついでに注文しておくかと、鼻唄まじりに一筆。たとえ抽籤になったとしても、すでにこの段階で勝負アリ、ではないだろうか。
ただ、探偵とユーモアでは毛色が異なるし、『恋愛満塁』には「少々切れ」という注記もあるから、美本主義の蒐集家ならば見逃してくれるかもしれない……。
などと、どこにも見えない競争相手の心理を読み取ろうとしてくたびれる。
1冊の本を注文するだけでこんなに時間が掛かるとは! なかなか面白いな。
目録を送ってもらうようになって丸一年、今までは貰いっぱなしでただ眺めるだけだったが、ようやく返事を書いた。

【2023年3月追記】目録注文
1冊の本を注文するのに、ずいぶんまわりくどい思案をしています。
しかし初めての目録注文。胸が高鳴りました。
この注文の結果は、数日後の中央線古書展の会場で判明します。

〈関連記事〉
目録の入手や注文のやり方など、古書即売展の目録につきましては以下の記事をご参照ください。
古書即売展の古書目録