【2011年4月23日/2023年3月追記】好書会、都丸支店

【2011年4月23日】
今にも降り出しそうな曇り空。
高円寺の西部古書会館、好書会。

『熊』高橋喜平監修(岩波写真文庫)210円
『やぶ』斎藤基夫(農林出版)350円
『本を読みなさい!っていわないで…』岩波の子どもの本と大型絵本の目録(岩波書店)100円
『星まんだら』野尻抱影(徳間文庫)200円
『秋竜山の読書狂』秋竜山(青英舎)105円

安い本を4冊、5冊。
たとえば『やぶ』は、昨日の書窓展で見かけたとしたら、たぶん買わなかっただろう。
昨日は見送った『女湯の旅』がもしここにあったら、今日は迷わずに買っていたかもしれない。
なんとなく買ってみたり、買いそびれたり。
支払いを済ませたあとでもういちどガレージの廉価本を眺めていると、雨が降り始めた。

「本を読みなさい!っていわないで…」表紙
『本を読みなさい!っていわないで…』
岩波の子どもの本と大型絵本の目録(岩波書店/1978)

さほどの雨ではないので中野まで歩いて行くが、途中、烈しい吹き降りに見舞われる。台風みたいな空模様だ。
まんだらけ、低調。
古書うつつで『日本探偵作家論』権田萬治(講談社文庫)300円。
電車に乗って高円寺に戻り、ネルケンで珈琲。
都丸支店では東郷青児『恋愛株式会社』が5000円で、思い切って奮発するかと色めくが、中身を改めてみると、この小説は東郷青児の創作ではなく、フランスだったか、××の原作による翻案のようだった。
それなら無理に買うことはないかと冷静になり、せめて原作者の名前だけでも覚えておこうと、その場で頭に叩き込む(叩き込んだつもりの××だったが、このあと四文屋で熱燗を呑んだら忘れた)。
もう1冊、森福二郎『臍の見える劇場』(文藝出版社)2000円。ストリップ劇場浅草座の支配人が書いた随筆集、購入する。

ガード下の四文屋に落ち着くと、雨は上がり、いつのまにか薄日が射す。
ふうっと明るむ路地を眺めながら熱燗を呑み、『臍の見える劇場』を少し読む。

森福二郎「臍の見える劇場」表紙
『臍の見える劇場』森福二郎(文藝出版社/1953)

【2023年3月追記】
『恋愛株式会社』の原作者××は「モーリス・デコブラ」でした。