【2011年4月24日】
東京古書会館、新宿展。
『鏡の国のアリス』モリー・フルート(ロマン文庫)200円
『東京恋慕帖』正岡容(ちくま学芸文庫)350円
『装幀・装画他一篇』川上澄生全集第13巻(中公文庫)300円
『影は夢みる』生田春月(新潮文庫)300円
『犬の心臓』ミハイル・ブルガーコフ(河出書房新社)700円
『対談奥義書』徳川夢声(有紀書房)300円
『巴里のてがみ』竹中郁(編集工房ノア)500円
ロマン文庫から始まって竹中郁まで、計7冊。
買いそうで買わなかったのは『東京の空の下オムレツの匂いは流れる』300円と、川柳漫画全集第7巻『かぼちゃの横顔』600円。
ミロンガでひと休みしながら、新宿展でもらった目録をめくっていると、隆文書店が樹下太郎『夜の挨拶』を5000円で出品している。
その本はさっき、新宿展会場の別の店の棚で見かけたばかりだ。たしか目録の記載と同じ東都書房の刊行だった。
200円という値段に、たいして珍しくもない本なのだろうと、あっさり見送ったのだが……。珍しいのか? 買っておくべきだったのかもしれない。まだ売れていないかもしれない。
だがちょっと待て。ただ珍しいからとか、相場より安いからとか、そういう理由で興味本位に買い込んでいったら、とてもじゃないがきりがない。特にミステリーの分野というものは、きちんと準備してかからないと収拾がつかなくなるのではなかったか。
しかし5000円が200円、ああ金額の煩悩。
あたふたと古書会館の新宿展に舞い戻り『夜の挨拶』200円、興味本位で買ってしまう。
茶々書房の棚に並んでいた。無事に売れ残ってくれていたのだが、背表紙が汚れていて作者の名前が消えかかっているところが、却って功を奏したのかもしれない。手に入れてはみたものの、ほんとうに欲しかったのかどうか、自分でもよく判らない。古本は買えば買うほど難しい。
【2023年3月追記】
即売展には複数の古本屋が参加しますので、A店とB店が同じ本を出品し、違う値段で販売することは珍しくありません。
売値の高い安いに惑乱されて徒らに右往左往するという、ひとつの実例です。