【2011年5月6日/2023年3月追記】城北展から新しく開店した古書かんたんむ

【2011年5月6日】
10時起床、寝坊だ(ゆうべ旧友と痛飲)。
12時半、もっさりと東京古書会館へ到着。城北展。
股旅堂の棚でアトリヱ社現代ユーモア小説全集の第10巻『誰にも秘密がある・階段のある恋愛』を見つける。著者は岡成志、昭和11年の刊行。函欠なのは惜しいところだが500円はうれしい。
続けて段ボール箱の雑誌群の中に、話別冊第1集『殿方草紙』丸木砂土(話社)、出現。これも500円。
暢気堂の棚では『しあわせな夜をつくる術』戸山一彦、あまとりあ社の新書判が300円。
ハーフノート・ブックスからは『笑われる男』南達彦(東方社)1050円と、ふたたび丸木砂土、『女は匂ひ』(六月社)315円。
計5冊、二日酔いのわりには上々の出来じゃないかな?
どこのお店だったのかは忘れてしまったが、小野佐世男『猿々合戦』のカバー付きと遭遇もした。カバー画は、小野佐世男のイニシャル〈S・O〉をまんなかに配置した抽象的な意匠だった。
価格は1000円で、欲しいことは欲しいのだが、カバー無しの本体はもう持っているから、カバーだけのために1000円というところで逡巡し、勇気を得られず見送った。

南達彦「笑われる男」表紙
『笑われる男』南達彦(東方社/1955)

古書店街。
田村書店の店頭段ボール箱から現代詩文庫『木坂涼詩集』(思潮社)100円。
ミロンガで珈琲を飲んだあとは、三省堂本店の隣りのビルの4階。このあいだまで三省堂古書館だった部屋は、内装はほぼそのままに古書かんたんむが受け継いでいた。
三省堂が運営していたころは、なるほど新刊書店の副業らしく店内はすっきり整頓されていたものだが、主体が変わると、早くも帳場の周囲には本が乱雑に堆積、いかにも古本屋の雰囲気を醸し出している。古本屋ではこのほうが「正調」と言えるのだろう。
古書かんたんむだけではなく、他のお店からの出品もあり、5階の古書モールが拡張したような感じだ。
『岩波文庫をめぐる文豪秘話』山崎安雄(出版ニュース社)200円、新書判を1冊購入する。

山崎安雄「岩波文庫をめぐる文豪秘話」表紙
『岩波文庫をめぐる文豪秘話』山崎安雄
(出版ニュース社/1965)

店頭をそぞろに西へ歩いて、@ワンダーの2階に上がると、駅弁の本が揃っていて見応えがあった。
富士鷹屋で東日本篇を買って以来、その片割れをずっと探していた『駅弁の町《西日本篇》』秋吉茂(朝日ソノラマ)がようやく見つかり小さく快哉。840円。
パール新書『駅弁の旅』も魅力十分だったが1890円といい値段が付いていたので今日は見送る。
駅弁は1冊だけにして隣りの棚に目をやると、あまとりあ社の新書判『二人っきりの世界』米良道博を発見、これも会心。315円。

秋吉茂「駅弁の町西日本篇」表紙
『駅弁の町《西日本篇》』秋吉茂
(朝日ソノラマ/1975)

神保町交差点へ戻り、アムールショップの店頭2冊100円棚を覗くと園生義人『令嬢はお医者さま』(春陽文庫)があったりするから、やはりこの棚はあなどれない(すでに購入済みだったのは惜しい)。
店内に入り、そのつもりはなかったはずなのにそのつもりになってしまうのだから、ほんとうは最初からそのつもりだったのだろう。『リアル人妻30』2009年3月号(ブレインハウス)400円、『め・き・ら』第55号(ブレインハウス)320円、購入する。
珍しく山田書店にも寄って『「美妙な死体」の物語』レオノーラ・カリントン、月刊ペン社の妖精文庫を1冊。850円。

レオノーラ・カリントン「「美妙な死体」の物語」表紙
『「美妙な死体」の物語』レオノーラ・カリントン/嶋岡晨・大井正博訳
(月刊ペン社=妖精文庫/1981)

【2023年3月追記】古書かんたんむ
三省堂書店神保町本店のすずらん通り側出入口に隣接して建っていたのが三省堂書店第2アネックスビル。
その雑居ビルの4階で営業していた「三省堂古書館」が、2011年3月に三省堂本店内へと移転しました。
旧三省堂古書館の店舗跡をそのまま使って「古書かんたんむ」が誕生します。
正確な日時は不詳なのですが、古書館移転から間を置かずしての開店だったと思われます。
ひとつ上の5階では、以前より「神保町古書モール」が営業していましたが、そちらの経営母体も古書かんたんむでしたので、4階での新規開店により、店舗面積が一気に倍増したことになります。
屋号こそ古書かんたんむを掲げていましたが、5階の古書モールと同様に、4階も複数の古本屋さんが参加して棚を受け持っていました。
各階ともお店によって出品する本は種々雑多。専門店が軒を連ねる神保町にあって、幅広く古書一般を扱うお店というのは、じつは貴重な存在でした。
ビル上階の店舗ですから、訪れる際にはひと手間掛かりますが、そしてエレベーターの扉がやけにせっかちで、開いたと思うとすぐ閉まってしまうのでいつも慌てましたけれど、上がってみれば町の古本屋と言うような、とても入り易いお店でした。
ただし古書モールと古書かんたんむの両方を、端から端までじっくり眺めてまわると、かなり時間が掛かりました。
増床開店から約1年半後の2012年12月、4階の売り場からは撤退。
古書モールとかんたんむを統合し、改めて「古書かんたんむ」として、5階での営業を続けます(4階の店舗跡にはその後、2013年5月より2015年6月まで「スーパー源氏神保町店」が入店)。
店舗は元の5階のみとなったものの、以降、より濃厚な古本空間を展開してくれました。
しかし2018年11月4日、最後は全品半額セールを盛大に行ない、神田古本まつりの最終日に、古書かんたんむ(神保町古書モール)は閉店となりました。
やや複雑な移り変わりを見せながら、一時期は4階と5階に古本が溢れ返っていた第2アネックスビルでしたが、三省堂書店本店の建て替えにより、2022年5月、本店ビルと共に閉鎖されその役目を終えました。
なお、店舗は閉店となった古書かんたんむですが、事務所営業は継続しています。
通信販売のほか、東京古書会館や西部古書会館の古書即売展にも精力的に参加しています。