【2011年5月7日/2023年3月追記】西部古書会館の高円寺展(最後の開催とは知らず)

【2011年5月7日】
西部古書会館、高円寺展。
梅雨の走りのような小雨が降り、古本はしっとりと匂い立つ。

『ストライキ記者』入江徳郎(国際出版社)200円
『食いだおれ横丁』長谷川幸延(ラジオ・ドラマ新書)200円
『東京二重奏』安藤静雄(青踏社)200円

今日はガレージの廉価本のみを3冊購入。
3冊とも200円。3冊ともぶっくす丈の出品。
10時から11時まで、いつになくあっさりと。

安藤静雄「東京二重奏」表紙
『東京二重奏』安藤静雄(青踏社/昭和21)

高田馬場に移って古書感謝市。
こちらの棚も本日は淡白な様相だったが、最後の棚に美土路昌一『鰐の命日』(大阪屋号書店)を見つける、600円。
せっかくだからさっきは素通りした紙箱ぎっしりの戦前絵葉書(1枚100円)を、1枚1枚見分してみる。なんとなく興が乗ってきて、高尾山や比叡山のケーブルカーや、甲斐御嶽の人面石の絵葉書を買う。

美土路昌一「鰐の命日」表紙
『鰐の命日』美土路昌一(大阪屋号書店/1926)
*本体表紙には「美土路春泥著」とありますが著者名は奥付の表記に従います

折り返して中野ブロードウェイ。
まんだらけの書架はどうも最近つれない。
古書うつつでも買物ナシ。
雨は上がったようなので高円寺まで歩く。
ネルケン(珈琲)、都丸支店(外壁均一棚)、ガード下四文屋(梅割りと煮込み)。順路のようになりつつある。
ネルケンに辿り着くころにはまた雨となった。
雨降りの日の珈琲一杯のあいだの静けさと、その先の梅割りの安上がりのざわめきと。

【2023年3月追記】高円寺展最後の開催
1月、5月、9月と年3回の「高円寺展」でしたが、この年の9月および翌2012年以降は開催されまていません。
どうやらこの日(2011年5月)が、最後の開催だったようです。
会場には終了を知らせる貼紙などは見られず(見落としたということは充分に考えられますが)、とにかくまったく知りませんでした。
もはや当時の記憶はありませんが、9月の時点ではまだ気づかずに過ごしていたかもしれません。
2012年の即売展一覧を見て、高円寺展が載っていない、と、ようやく気づいたような次第ではなかったかと思われます。
開催時期や参加店舗の顔ぶれからすると「杉並書友会」に統合されたのかとも想像されますが、詳しい消息は分かりません。
これで終了になると知っていれば、もっと丁寧に最後の高円寺展を味わっていたのでしょうが、何も知らぬまま、よりによってあっさりと会場を去ってしまいました。後の祭りです。