【2012年10月19日】
五反田、南部古書会館。本の散歩展。
一階、零冊。二階、零冊。
おや? どうしたのだろう。
一階に戻り、落穂拾い。
『天文まんげ鏡』石田五郎(東京書籍/昭和57)200円、『新女続物語』富田英三(第二書房=ナイトブックス/昭和39)200円、『子どもの本の書きかた』ジョーン・エイキン(晶文社/昭和61)300円。
3冊拾う。
神保町。
古書会館の催事は洋書まつりなので急がない。まずは古書店街の店頭ぶらぶら。
長島書店は店内に入って、前々からやや気になっていた『鬼乳房伝奇』飯田豊吉(路書房=S・M双書/昭和44)買う、500円。
なぜ購入を決断したのかと言うと、さっきの散歩展で同書が3150円で出品されていたのを見てしまったからだ。こういう買い方は品が良いとは言えない。
田村書店の100円段ボール箱からふたたびのナイトブックス、『ぼくの漁色日記』清水正二郎(第二書房=ナイトブックス/昭和38)。
小宮山書店ガレージセールで『闘牛の影』マヤ・ヴォイチェホフスカ(岩波少年文庫/1997)100円。
ミロンガで珈琲。
東京古書会館、洋書まつり。
羊頭書房の棚一面のペーパーバックは今年も壮観なり。
朝方、散歩展の開場を待っているとき――
――神田は洋書会でしょう?
――洋書会はよしょう(よそう)かい。
と言う、いささか苦しい、しかし思わず頷いてしまうような駄洒落を耳にした。
会館の1階受付には次々週愛書会の目録が積んであったので、たしか愛書会目録は申し込んであるはずだから家にも送付されると思うのだが、目の前に積んであると我慢できず1部頂戴する。
今回の目録は350回記念号で表紙は三色刷り、中身も増ページ。
高円寺ガード下の四文屋に落ち着いて、愛書会の目録をめくる。
誠文堂十銭文庫『エロ・エロ東京娘百景』5万円。ううむ。
吉祥寺の古本センターに寄道して吉田類『東京立ち飲み案内』(メディア総合研究所/2009)50円。
【2025年1月追記】
「本の散歩展」は年2回、4月と10月です。
南部古書会館の即売展は散歩展のほかに「五反田遊古会」と「五反田古書展」があります。
2023年までの五反田遊古会は年6回(奇数月)の開催でしたが、2024年5月以降は3・5・9・11月の年4回となりました。五反田古書展は年1回(12月)。
回数の減少はさびしくもありますが、開催時における熱量は衰えていません。
いずれの即売展も1階と2階に会場を設けます。
廉価本があふれる1階(ほぼ200円均一)は殊に人気があります。
1階と2階を見終わって、帰りがけにもういちど1階を巡回する人も多いはずです。
実際、さっきは気づかなかった本を発見することはしょっちゅうですし、何度でも覗いてみたくなるような魅力(つい買い過ぎるという魔力)が1階ガレージ会場にはあります。
◇
東京古書会館「洋書まつり」は年1回。
毎年10月に開催されます。
古書会館では唯一、ということはおそらく国内唯一の洋書専門即売展です。
英、仏、独、伊、露、中、アラビア語……ごくわずかに和書も混ざり、古本万国博覧会の趣きです。
普段の即売展とはがらりと客層が変わることなども大きな特徴でしょう。
特価での放出も多いようですし、1年間に貯めた力をすべてここで出し切るというような、豪快に買い込むお客さんも珍しくないようです。
外国語を読めないとなると、それはもう本の形をした物体の陳列に過ぎないわけですが、地上にはいったいどれほどの本が載っているのか、本の重さで地球の床は抜けないのかと、たとえごく一端だとしても、その計り知れなさをじかに体感させてくれる会場です。