【2012年4月28日】
西部古書会館、好書会。
藤井書店の棚より『みみずの観察』小川文代(創元社=科学の泉/昭和19)105円と、『どろんろん』藤田西湖(日本週報社/昭和33)315円。
天心堂の棚から『わが社のマーク100選』(KKロングセラーズ/昭和52)を引き抜くと、編著者が真鍋博だった。250円。
以上3冊を簡単に。
ネルケンで珈琲を飲み、今日の高円寺は、町のあちこちで大道芸を催している。
笑ったり、喝采したり、赤ん坊は泣いたり犬は戸惑ったり、いろいろ賑やかだ。
中野ブロードウェイ、4階のまんだらけを巡回。買物ナシ。
荻窪、ささま書店、買物ナシ。
初夏の陽気に、ふと物憂い。
帰宅すると、同好会より目録が届いている。ちょっとくらい草臥れていても、新しい古書目録を手にするとたやすく浮き立つ。
【2012年5月2日】
八王子古本まつりの初日だが朝から雨。
雨天でも決行するとのことだが、靴に穴は開いているし、出掛けるのはやめてにして古本整理。本を置く(積む)ための、隙間の捻出に務める。
無いようで、結構まだ隙間は有るものだ。
いくら隙間が増えたからと言って部屋の面積が増える道理はないわけで、その隙間を本で埋めてゆけば、つまりは自分の居場所がどんどん狭くなる。
古本に包囲されたまま、どこに何を置くか判断ができなくなって、呆然と天井を見上げる。
見上げると、この部屋の上半分の空間が悩ましい。
【2023年12月追記】
郵便受けを覗くと、古書目録が配達されている。
心躍る瞬間です。
封を開ければ新しい紙とインクの匂い。
ページをめくれば、古い本。
日々の憂さはひとまず遠ざかります。
古書目録が届くという嬉しさ、また有難さ。
殊に新型コロナウイルスに閉じ込められていたさなかには、その有難味はいよいよ痛感されました。
古本屋に行くことさえままならない日々に、どれほどの慰めを与えてくれたことでしょう。
しかし、眺めるだけでほとんど注文しない。
これはただの立読みですから、偉そうなことを言うのは口幅ったいところです。
◇
部屋の上半分だけ重力をひっくり返して、天井から本を積み上げたい。
上半分にはまだかなり余裕がある。
再三ならず願いますが、下から、上から、本を積み上げてゆけば、結末がどうなるかは明白です。
結局、肉体が紙のように平べったくならないかぎり、その部屋に自分の居場所は無くなります。