【2009年12月26日/2022年11月追記】西部古書会館の好書会、会計間違いで615円を儲けそうになったのだが

【2009年12月26日】
西部古書会館、好書会。
11冊購入して計2365円。ガレージの灰皿で一服ふかしながら、手許に控えていた各書の単価を合計してみると、さっき支払った金額は600円ほど少ない。これは今迄にはないことだ。600円儲けたのじゃないか?
けれどもやっぱり、他のことならともかく、古本でずるはしたくない……などといくらかは殊勝にもなって、もういちど帳場へと引き返し、改めて計算していただくようお願いする。
すると案の定、正確には2980円だった。何か計上を忘れていた本があったようだ。
たまにはそういうこともあるのだと、素直に従っていればそれでよかったのかもしれないのだが、無闇に正直に申告することこそ野暮天なのかもしれないのだけれど、不足分の615円を追加で払えば、何だかすっきりした。

続いて、新宿の京王百貨店で開催中の歳末古書市へ。
このあいだ200円で買った、やなせたかし『まんが入門』を見かけるが、3150円の値がついていた。然るべきところでは然るべき値段なのだ、よくぞ200円でみつけたなあ、と思わずにはいられないのだが、しかしどちらが高くてどちらが安いということではないのだろう。
そのときその値段で見かけた古本が、私とその古本との運命なのだ。200円だから得をした、3150円だから損をした、そういうことではないのだろう。
『ねごと随筆』真下五一(高風館)315円、『蛸の国』井上喜平治(神戸新聞社)315円、『ヘソよ何処へ行く』村松駿吉(あまとりあ社)525円、新書判を愉快に拾い集める。

2009年12月26日 今日の1冊
*歳末古書市/京王百貨店新宿店
『蛸の国』井上喜平治(神戸新聞社出版部/1965)315円

井上喜平治「蛸の国」表紙

【2022年11月追記】
古書即売展で販売している本には1冊ずつ値札がついています。
会計の際はその値札を剝がして合計金額を計算するのですが、立て込んでいたりすると、値札を剝がし忘れたり、見落としたりすることもあるようです。
ごく稀には、計算間違いで実際よりも多い金額を告げられるなんて言うことも無いとは言えないのかもしれず、そういうときには払い過ぎた分は取り戻したいところですけれど、実際よりも少なかった場合は、つい「得をしたな」と思ってしまします。
けれどもやっぱり、愛してやまない古本を買っているわけですから、相手の間違いに付けこんでまで得をしたくはないですね。馬鹿正直でも何でもよいから、値札の金額通りに買いたいです。
お客さんのなかには、購入前にあらかじめ自分で計算をして、会計の際に合計額が違っていたらその場で申し出る人もいるようです。
帳場から告げられた金額に、「○○円少なくないですか?」と、即座に訂正して、値札通りの金額を支払っている人を見かけたことがありました。心意気だなあ、と感銘を受けました。