【2011年4月1日】
東京古書会館、和洋会。
入場してすぐ、すれ違った人の手の中に『国鉄客車貨車ガイドブック』というちょっと面白そうな本を見かけてしまい、やや心が乱れる。
『続いろは匂へど』吉田機司(私家版)300円、『友情報国』林二九太(新元社)1000円、『写真に見る西洋の本』庄司浅水(カラーブックス)300円と進み、それから徳川夢声『悲観も愉し』500円を見つけて確保したのだが、どうもこの本は持っているような気がしてならず、会計の直前になって手放した(家に戻って調べたら持っていなかった、しくじった)。
明治時代の小冊『鉄道唱歌』(第弐集・中国九州篇)900円も、ぎりぎりまで迷った揚句、最後は返却した。
水平書館の棚には、先程見た客車貨車ガイドがいつのまにか返却されていた。『国鉄客車・貨車ガイドブック』卯之木十三/森川克二(誠文堂新光社)500円。折角見つけた本を手放してしまったり、諦めていた本がぽろりと舞い込んだり。
最後に『僕の弥次喜多』秦豊吉(三笠書房)3500円、奮発する。
今週開催予定だった新橋SL広場の古本まつりは中止になったとのこと。また今月20日からの池袋西口公園古本まつりは時間を短縮して開催するらしい。
小宮山書店ガレージセールで野呂邦暢随筆選『夕暮の緑の光』(みすず書房)1000円、購入。編者は岡崎武志氏で(さっき古書会館でお見かけしました)、目次を見ると、映画「森崎書店の日々」の中でちらりと映った「山王書房主」が収録されている。ああ、あれは野呂邦暢の随筆の題名だったのか。
ミロンガでさっそくそのページを読んで、それから東京堂を覗くと山王書房店主の追悼文集『関口良雄さんを憶う』(夏葉社)が並んでいる。あんまりうまくつながってくれたので、立ちくらみがする。昨秋『昔日の客』を復刊した夏葉社が、またしても復刻してくれたのだ。840円。
神保町古書モールで『東京ラプソディー』門田ゆたか(日本詩人連盟)200円、その下の階の古書市、さらに三省堂本店の古書館をまわり、もうしばらくあちこちの店頭棚をうろつく。
11日夜の慰安となった浅草厨房を御礼のつもりで訪れ(ただ呑みたかっただけじゃないのか?)、ホッピーと串揚げ。
【2023年3月追記】東京堂書店ふくろう店
東日本大震災の影響で中止になった古本まつりは、少なくとも東京周辺では、新橋古本まつりが唯一だったようです。古書会館の即売展はすべて予定通りに開催されました。
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「東京堂書店」は、すずらん通りにある老舗の新刊書店ですが、当時は通りをはさんだ反対側、少し離れた場所に「ふくろう店」という支店がありました。
本に関する本を集めた棚が充実していたり、また、少量ながら古本販売の棚も設けてありました。
いつ頃だったのか時期は覚えませんが、ふくろう店はその後閉店して、現在はダイソーになっています。神保町のダイソーなんだから、古本の百円均一棚があってもよさそうなのですが、ダイソーでは古本の扱いはありません。
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〈関連日記〉
関口良雄『昔日の客』復刊に続いて、夏葉社は、追悼文集『関口良雄さんを憶う』も復刊してくれました。山王書房と関口良雄氏については下記ご参照ください。
→【2010年10月27日/2023年2月追記】第51回神田古本まつり