【2011年9月3日/2023年5月追記】高円寺から八王子へ

【2011年9月3日】
西部古書会館、杉並書友会。
ガレージより川上宗薫『女人禁制の本』(ベストセラーシリーズ/昭和45)100円。
室内会場では『日曜日』第1巻第2号/昭和26年10月(雄鶏社)350円。初見の雑誌。
A5判の薄冊だが、表紙は横山隆一、執筆陣には池部鈞、北村小松、小野佐世男の名前も見えて面白そう。

「日曜日」昭和26年10月号表紙
『日曜日』第1巻第2号/昭和26年10月(雄鶏社)

ネルケンで珈琲を飲んだあとは西へ進んで八王子へ。
立川を過ぎると俄かに風雨が強まり電車は徐行。多摩川は濁り水で溢れ返っている。
八王子の有隣堂で今日から古本市が始まっているはずなのだが、有隣堂へ行ってみるとフルホンのフの字も無い。先月号の『日本古書通信』を立読みしたときにはそう書いてあったはずなのだがどういうわけだろう。
遂にマボロシの古本市を訪ねるようにまでなったのか……。
狐に化かされたように、きょとんとなって佐藤書房へ。
この際だから、いつぞやから気になっていた辰野九紫『ひとりも愉し』2625円を引き取ることにする。
ついでに妖精文庫を買い、ライトノベルを買う。

辰野九紫「ひとりも愉し」表紙
『ひとりも愉し』辰野九紫(長隆舎書店/昭和16)

購入メモ
*佐藤書房/八王子
『ひとりも愉し』辰野九紫(長隆舎書店/昭和16)2625円
『師匠たちと弟子たち』ヴェニアミン・カヴェーリン(月刊ペン社妖精文庫/昭和56)1050円
『漂う書庫のヴェルテ・テラ』川口士(富士見ファンタジア文庫/平成21)105円
『空想/のべりずむ』藤春都(HJ文庫/2009)210円
『”文学少女”と飢え渇く幽霊』野村美月(ファミ通文庫/2006)105円

【2023年5月追記】
2011年当時、インターネット環境を持たないという陸の孤島のような日々を過ごしていましたから、いつ、どこで古本まつりをやっているのか、きちんと把握しきれません。
古書会館に貼り出してあるポスターや、月刊誌『日本古書通信』に載っている催事案内が、貴重な情報源でした。
八王子有隣堂の古本まつりも、そうやって『日本古書通信』から知り得た催事だったはずなのですが、おそらく日時を見誤るか何かして、開催日とは違う日に訪れてしまったのだと思います。
その場所へ赴いて、やっていないものはやっていないのだから、いくら周囲をきょろきょろしても仕方ないのですけれど、そもそも欲する情報を立読みだけで済ませようとする態度に問題があるのでしょう。
しかしそれが八王子であったというのは、まだ好運でした。無駄足を帳消しにして余りあるくらいに佐藤書房は頼りになります。

〈関連日記〉
「佐藤書房」を含めた八王子の古本屋さんについては下記ご参照ください。
【2010年10月12日/2023年1月追記】佐藤書房にて『夢野久作の日記』