【2012年3月7日/2023年9月追記】広大な会場から岩波少年文庫1冊だけ

【2012年3月7日】
彩の国所沢古本まつり。
今迄は彩の国古本まつりと呼んでいたが、今回は開催地「所沢」の文字が名称に加わった。
会場は1階と8階に分かれるが、時間前(11時開場)から並んでいたほとんどの人は、入場と共にエレベーターで8階の本会場へ直行するようだ。
まずは1階の廉価本を眺めてから8階へ行くと、さっきは結構な行列だったように見受けられたのだが、なにせ会場が700坪と広大なので、あれくらいの人数は楽々と収容してしまう。古書会館展やデパート展のような密集混雑はない。
3時間余で全40店舗を一巡、手許に零冊、むむー。
入場して早々、まず目に留まったのは東京ステーションギャラリーの図録『東京駅と辰野金吾展』だったのだが、1万5000円に跳ね返された。この最初の1冊が今日の古本運勢を占っていたのかもしれない。
西武鉄道の今は無き電気機関車の写真集『西武の赤い電気』2500円など、なかなか珍しく、ここ所沢の古本市にはうってつけの1冊のようにも思われる。
しかし上質紙を用いた大判の写真集は、こちらにある程度の勢いがついていないと力負けしてしまう。
とうとう8階では何も得られず、今回の余ったポスターを配っていたので1枚貰い、1階に降りて、『ピッピ船にのる』アストリッド・リンドグレーン(岩波少年文庫/2000)を買う。100円。

アストリッド・リンドグレーン「ピッピ船にのる」表紙
『ピッピ船にのる』アストリッド・リンドグレーン/大塚勇三訳
(岩波少年文庫/2000)

いつになく遅かった梅もようやくほころんで、どうやら春は訪れるのだが、季節の歩調に足並みはそろわず、このごろの我が古本道中は何やら停滞。
ここはひとつおとなしく、西武電車でのんびりと国分寺へ出て、ブックセンターいとう国分寺店をひとまわり。無イ物ハ何モ無イ、というわけで、これも道のりだと、いつものように自分に言い聞かせつつ、歩きつつ、次に訪れるはずの1冊へ、と。

《彩の国所沢古本まつり》第61回チラシ
《彩の国所沢古本まつり》第61回/チラシ

【2023年9月追記】
当初は「彩の国古本まつり」という名称でしたが、この日の第61回より「彩の国所沢古本まつり」と名を改めて現在に至ります。
1年4回の開催。先日(2023年9月6日~12日)の開催で第107回を迎えました。
コロナ禍のもとで、2020年5月の第94回と、2021年9月の第99回は中止となっています。
たくさん本があるからと言って、たくさん本を買えるわけではない。
古本の妙味を思う存分に味わわせてくれる会場です……。
この広大な古本まつりにつきましては下記ご参照ください。

〈参照日記〉
彩の国所沢古本まつり
【2010年3月3日/2022年12月追記】彩の国古本まつり初探訪

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「ブックセンターいとう国分寺店」は2023年3月末で閉店となりました。
また八王子市の野猿街道沿いの巨大店「東中野本店」が2023年8月末、さらに来月(10月22日予定)には「元八王子店」と、閉店が連鎖します。
多摩広域で展開を続けてきたブックセンターいとうですが、元八王子店閉店後は、「立川西砂店」と「日野店」の、2店舗のみとなります。