【2012年9月22日/2024年8月追記】お彼岸の古本

【2012年9月22日】
西部古書会館の中央線展
まさに彼岸、いやあ、今日は涼しい。
開場を待つあいだのひとときの、どこからともなく聞こえてくる立ち話――
――11月は京都に行きます、百万遍の古本市とホウネン寺、ホウネン寺はいいですよ。
――紅葉がきれいでしょうね、いちど行ってみたいですなあ。
ホウネン寺はそれほどではないけれど、百万遍の古本市は行ってみたいものです。

浅見書店の棚より武野藤介のコント集『人間百話』と、丸木砂土『夜の聖書』を手にとるが、どちらも最後になって返却する。
購入は『江戸の本屋さん』今田洋三(NHKブックス/昭和52)300円、『サンタクロース殺人事件』ピエール・ヴェリー(晶文社/昭和50)500円の2冊。

中野まで歩いてブロードウェイ巡回。
まんだらけに内藤ルネ『幻想西洋人形館』が陳列してあって1万500円。ううむ。
何も買わずに次は荻窪のささま書店、こちらも今日は買物ナシ。
収穫のないままに書架をうろついていると、そのうち、もう今日は古本はいいや、と思い、思いながらもっと古本を見たい、と思う。

【2024年8月追記】
百万遍の古本市、とは、京都の百万遍知恩寺の境内で開催される「秋の古本まつり」です。
間違えそうですが、知恩寺は、知恩院とはまた別のお寺です。
毎年、10月終わりから11月初めにかけて行なわれます。
古本好きにとっては、同じころに行なわれる時代祭(京都三大祭りのひとつ)よりは断然、秋の古本まつりが気になる?
京都には古本屋さんがたくさんありますし、古本まつりともども、いつか行っていみたいと夢想します。
ところで、百万遍の古本市と共に耳にしたホウネン寺なのですが、京都には法然寺と法然院とがあるそうで、こちらもまた間違えそうです。話の主がどちらへ行かれたのか定かではありません。
紅葉の季節に訪れたのならば、さぞや優雅な境地に遊べそうですが、あちらこちらの古本屋を歩きまわっているうちに時間がなくなって、お寺は参拝せずに帰ることになりそうです。

神社仏閣での古本まつりは知恩寺のほかにも、京都では8月に下鴨神社で「下鴨納涼古本まつり」、大阪に目を向けると四天王寺では春と秋に「大古本祭り」、10月の大阪天満宮では「天神さんの古本まつり」と、関西では大規模な古本まつりが行なわれます。
いずれも20回以上の回数を重ねており、特に知恩寺の古本まつりは2024年で第48回という歴史をもちます。
一方の東京では、早稲田の穴八幡宮境内「早稲田青空古本祭」が2013年に終了して以来、神社仏閣に古本屋さんが集結する大きな古本まつりの話は聞きません。

〈関連日記〉
穴八幡宮の早稲田青空古本祭および神社仏閣の古本まつりについて、以下合わせてご参照ください。
【2011年10月3日/2023年5月追記】穴八幡宮の早稲田青空古本祭